「MGフリーダム、羽が大きすぎて飾れない」と思ってる人、それ半分正解で半分もったいない話をします。
確かにあのウイングバインダーはデカい。でも完成品を横から眺めたとき、ビームライフルを構えた白いボディと天高く広がる翼のシルエットを見て「作ってよかった」と感じない人はほぼいないはずです。2014年にリリースされたMGフリーダムガンダム Ver.2.0は、旧Ver.1.0から設計を全面見直した傑作キット。関節強度・可動域・色分け精度のどれをとっても別物で、素組みでもここまで映えるMGは多くない。
この記事では、Ver.2.0を実際に組んでみた経験をベースに、ゲート処理から塗装・仕上げまでを工程順に解説します。初心者がつまずきやすいポイントと、中級者が「もうひと手間」で仕上げを変えるコツも両方カバーするので、どちらのレベルでも参考にしてほしいです。
MGフリーダムガンダム Ver.2.0の基本スペックをおさえる
キットのスペックと内容物
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| スケール | 1/100(マスターグレード) |
| 発売日 | 2014年2月 |
| 希望小売価格 | 5,500円(税抜) |
| ランナー数 | 約20枚 |
| パーツ数 | 約440点 |
| 難易度目安 | 中級(MGとしては標準) |
ランナーはA〜H + 多色成形のKPS(関節用)、クリアパーツ、ポリキャップと構成されています。白・青・赤・黄の主要カラーはほぼランナー段階で色分けされており、素組みでもかなりのカラー再現度があります。シール枚数は少なめなので「シールを貼るだけ」で済ませることへの抵抗感も少ない。
旧Ver.1.0からの主な変更点
旧版を組んだことがある人は、Ver.2.0の進化に驚くと思います。特に大きな違いは以下の3点です。
- ウイングバインダーの展開ギミック: Ver.1.0は手動で角度をつけるだけでしたが、Ver.2.0はバインダーの各パネルが個別に展開・固定できるようになりました。「翼を全展開した天使ポーズ」が自然にキマります
- 腰部と股関節の設計変更: 旧版の弱点だった腰の保持力が大幅に改善。重いバインダーを背負っても自立しやすくなっています
- 腕部の色分け改善: 旧版では塗り分けが必要だった前腕部の青いラインがパーツ分割で再現。塗装しなくても劇中カラーに近づいています
必要な工具と事前準備
最低限そろえるべき工具リスト
MGクラスのキットを綺麗に仕上げるなら、以下の工具は最初からそろえておくことをおすすめします。詳しい選び方はガンプラに必要な工具リストにまとめてあるので、工具選びに迷ったら先に読んでみてください。
- ニッパー(タミヤの薄刃ニッパー 74035 推奨): ゲートを綺麗に切るには刃の薄さが正義。ゲートに白化が出やすい場合は「超薄刃」グレードへの投資を検討してほしい
- デザインナイフ(オルファ アートナイフ): ニッパー後のゲート跡処理に必須。刃はこまめに替える
- ヤスリ: 400番・800番・1000番の3種があれば大半の状況に対応できます。タミヤのフィニッシングペーパーセットが使いやすい
- ピンセット(先細タイプ): 細かいシール貼りやデカール作業に必要
- 仮組み用マスキングテープ: パーツの保護や塗装マスキングに
作業スペースの準備
MGはパーツ数が440点を超えるため、作業テーブルの広さが地味に重要です。ランナーを広げながら組むと幅60cm×奥行40cmは欲しいところ。切り離したパーツの管理には100円均一のコンパートメントケースが便利で、部位ごとに仕分けておくと組み立て時に迷いません。
組み立て工程:部位ごとの手順と注意点
胴体・腰部の組み立て
胴体は先に内部フレームを組んでから外装を取り付ける、MGお馴染みの二重構造です。内部フレームはグレーの成形色で、これだけでもメカっぽくてテンションが上がります。
注意点:胸部中央のコクピットブロックを固定するスナップピンは固めです。力任せに押し込むとパーツが割れることがあるので、パーツを温めてから(夏なら室温で十分)ゆっくり押し込むのが安全。腰部のフロントアーマーは左右の向きを間違えやすいので、説明書の図を都度確認しながら進めてください。
脚部・関節の組み立て
脚部は最もパーツ数が多く、内部フレームだけで50点近くあります。ヒザ関節のKPSパーツは向きを間違えると後から修正が難しいため、ここだけは「ゆっくり確認しながら」を徹底してほしいです。
完成後に脚を曲げると、モモとスネの間から内部フレームが見えるのがこのキットの見どころのひとつ。素組みのままでもフレームが見えるポーズをとらせると映えるので、写真を撮る際は意識してみてください。
ウイングバインダーの組み立て
Ver.2.0最大の見せ場でもあり、最大のクセ者でもあるのがこのバインダー。左右合わせて約150点のパーツが入っており、組み立て時間はここだけで2〜3時間かかります。
バインダーの各フィンはC字のヒンジで連結されており、展開時に「パタパタ」と順番に開く構造です。フィンの向きはすべて同じなので流れ作業で進められますが、ランナーから切り離す際にゲートの白化が目立ちやすいパーツでもあります。ゲート処理のやり方を事前に読んでおくと、白化の対処法がわかって安心です。
塗装・仕上げのコツ
素組みで映える色分けの活かし方
MGフリーダムVer.2.0は、パーツ分割による色分け精度が高いため、塗装なし・スミ入れだけでも十分映えます。特にバインダーの赤いビームライフル部分(バラエーナ)はパーツ段階で分割されており、赤・白の塗り分けが不要。
おすすめの最低限仕上げはこの3ステップです:
- ゲート処理(ヤスリがけ)
- スミ入れ(タミヤ スミ入れ塗料 ブラック or ダークグレー)
- つや消しトップコート(クレオス Mr.スーパークリアー つや消し)
この3ステップだけで「素組みとは思えない」仕上がりになります。
塗装する場合のカラーレシピ
全塗装に挑戦する場合、以下のカラーレシピを参考にしてください(すべてMr.カラー使用):
- ホワイト部: ホワイト(GX1)+クールホワイト(GX4)を1:1で混合。純白すぎずプラスチック感を消せる
- ブルー部: コバルトブルー(5)+インディゴブルー(322)を2:1。劇中の深みのある青に近い
- レッド部: モンザレッド(68)単色。バラエーナのビームサーベル刃はクリアレッドで仕上げると映える
- イエロー部: キャラクターイエロー(109)。隠蔽力が高いのでそのまま使える
塗装マーカーで手軽に仕上げたい場合はガンプラマーカーの使い方も参考にしてみてください。
トップコートで仕上げを格上げする
全塗装でも素組みでも、最後のトップコートは必ず吹きましょう。フリーダムのホワイトは光が当たると安っぽく見えがちですが、つや消しトップコートをひと吹きするだけでマット感が出て「完成品感」が一気に増します。
クレオスの「Mr.スーパークリアー つや消し(スプレー)」は缶スプレーの中でも定番中の定番。吹く距離は25〜30cmを保ち、1回の吹き付けを薄く重ねるのがコツです。厚吹きすると白くかぶるので注意。トップコートについて詳しくはつや消し仕上げの方法にまとめています。
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こんな人におすすめ:活用シナリオ別レビュー
シナリオ1:「SEED世代がガンプラに復帰したい」
2000年代前半にSEEDを見てフリーダムが好きだったけど、ガンプラは長年離れていた——そういう人に特に刺さるキットです。Ver.2.0は現行の設計なので関節のヘタリが少なく、完成後もポーズが長持ちします。昔の旧版キットとは別物の完成度なので、「旧版で苦労した記憶」があっても安心して取り組めます。
シナリオ2:「HGを何体か組んだ、次のステップが欲しい」
HGを5〜10体ほど組んで、ゲート処理にも慣れてきた中級手前の方にMGフリーダムVer.2.0はちょうどいい挑戦です。HGより工程は増えますが、内部フレームを組む楽しさはMGでしか味わえない体験。初心者向けHGキットの選び方のページでHGを卒業したと感じたら、このキットをMGデビュー作にしてみてください。
シナリオ3:「飾り映えするキットを探している」
完成品をラックや棚に飾りたい人にとって、フリーダムのシルエットはぬきんでています。バインダー全展開ポーズは横幅約30cmになり、存在感は圧倒的。スタンド(バンダイ アクションベース2が対応)を使えば高さも出るので、コレクション棚に置いたときの見映えは群を抜いています。
シナリオ4:「初めての全塗装キットにしたい」
白・青・赤・黄と主要4色がきっちり色分けされているため、全塗装の練習対象としても優秀です。「部分的に塗る→全体を塗る」というステップアップがしやすい構造なので、「いつか全塗装にチャレンジしたい」という人の最初の1体にもなれます。
シナリオ5:「子供と一緒に組みたい」
小学高学年以上であれば、保護者と一緒に楽しめます。バインダーのギミックは大人でも感動するレベルなので、完成後に子供と一緒に「全展開!」してみると盛り上がります。ただしパーツが細かいので、幼児の誤飲には注意が必要です。
よくある失敗と対処法
失敗1:バインダーが垂れ下がる
最も多い失敗がこれです。バインダーはかなりの重量があるため、取付部の接続がゆるいと徐々に垂れてきます。
対処法: 取付部のボールジョイントに瞬間接着剤を少量(爪楊枝の先に付けた程度)塗って、若干の抵抗を加えるとぐっと保持力が上がります。塗り過ぎると固定されて動かなくなるので、少量ずつ試すのがポイント。もしくはMr.SSP(スーパースムースプライマー)やメンタムをジョイントに塗ってもOK。
失敗2:ゲート跡の白化がバインダーフィンに目立つ
白いパーツのゲート跡は特に白化しやすく、バインダーフィンは合計で70枚以上あるため、1枚ずつの処理が甘いと全体で目立ちます。
対処法: ニッパーで2段階切り(最初は少し離れた位置で切り、2回目でギリギリを切る)を徹底することで白化を最小限に抑えられます。白化してしまった部分はヤスリで削ってから白のガンダムマーカーでタッチアップすると目立たなくなります。
失敗3:腰の向きを間違えて組み立てる
腰部は前後左右が似たような形状で、間違えて組み込んでしまうケースが後を絶たないポイントです。一度ハメてしまうと外すのが難しい箇所もあります。
対処法: 腰部は組み立てる前に「どのパーツが前でどのパーツが後ろか」を説明書で確認してから始める。マスキングテープに「前」「後」と書いてパーツに仮貼りしておくと間違いが減ります。
失敗4:スミ入れが滲む
スミ入れ塗料を使ったとき、パーツのモールドからはみ出して滲んでしまうことがあります。特に白パーツで黒スミ入れを使うと目立ちます。
対処法: スミ入れ前につや消しトップコートを1回吹いておくと、塗料が食いつきすぎずふき取りやすくなります。または白パーツには「グレー」のスミ入れ塗料を使うと、多少滲んでも目立ちにくいです。
比較:他のMGキットとのポジション
MGガンダムVer.3.0との比較
同価格帯のMGとして人気MGキットと比較すると、フリーダムVer.2.0はギミックとシルエットの派手さで勝り、Ver.3.0は精度と可動の自由度で勝ります。「飾る」ならフリーダム、「動かして遊ぶ」ならVer.3.0、というざっくりした棲み分けです。
HGフリーダムとの比較
2024年に発売されたHGフリーダムガンダム(REVIVE版)は2,000円以下で入手できますが、バインダーの展開ギミックはMGほど精巧ではありません。「まずフリーダムを形にしたい」ならHGで試してから、MGにステップアップする流れがおすすめです。
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よくある質問
Q1. 素組みだけで見映えしますか?塗装は必要ですか?
十分映えます。パーツ分割による色分け精度が高いため、スミ入れとつや消しトップコートの2工程だけで完成度はかなり上がります。全塗装は「もっとこだわりたい」と思ってから挑戦すれば十分です。
Q2. 組み立て時間はどのくらいかかりますか?
素組みで6〜10時間が目安です。バインダーだけで2〜3時間かかるので、1日で全部終わらせようとせず、「胴体・脚部・腕部・頭部・バインダー」と部位別に分けて複数日で進めるのが疲れなくておすすめです。
Q3. 自立できますか?重くて倒れませんか?
バインダーを完全展開した状態での自立はやや不安定です。ポーズをつけた状態で飾るなら「バンダイ アクションベース2(ブラック)」などのスタンドを使うことを強くおすすめします。バインダーを閉じた「飛行前」状態なら、接地面積が広く安定して自立します。
Q4. 塗装初心者でも手を出せるキットですか?
はい。パーツ分割が細かいので「塗り分けが必要な箇所」が少なく、部分塗装の練習をしやすい構造です。最初は「バーニア(バーニア内部をゴールドで塗るだけ)」や「センサー(クリアグリーンで塗るだけ)」など小さな部分から始めてみてください。
Q5. 何年も前のキットですが、今買っても損しませんか?
2014年発売ですが、全く色褪せていません。設計の質が高いためパーツの精度が安定しており、現在もAmazonやヨドバシで安定して流通しています。SEEDの映画公開以降は再注目されており、むしろ「今こそ組むタイミング」と言えます。
まとめ:MGフリーダムVer.2.0は「買って組む価値がある」キット
正直に言うと、このキットに「大きな弱点」はないです。バインダーの重さによる保持力の問題はありますが、スタンドを使えば解決する話。それ以外はパーツ精度・色分け・可動・ギミックのどれをとっても現行MGとして十分な水準です。
SEED世代のリターン勢にも、MGデビューを狙う中級手前の人にも、「映えるキットを1体欲しい」コレクターにも刺さる懐の広さがあります。組む前から「ちょっと難しそう」と感じている人も、バインダーの展開ギミックが完成したときの達成感は作業のすべてを帳消しにしてくれるので、ぜひ挑戦してみてください。
塗装・工具選びに迷ったら、まずガンプラに必要な工具リストとガンプラマーカーの使い方を読んでから取り掛かるとスムーズです。
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